ヘンプハード

Hemp(産業用ヘンプ)は、大麻植物の一種で、多くの用途に利用される多目的の自然素材です。
種子、花、茎、根、葉、その全てを活用することができ、種から得られるオイルは栄養価が高く、衣料品や化粧品などの製品にも利用されています。
また農的な利点も数多くあり、深く伸びる根は土壌改善、生命力の強い植物であるため、殺虫や化学肥料はほとんど必要としません。


ヘンプハードは、ヘンプの茎を乾燥させチップ状に粉砕したものを指します。
ヘンプハードには、諸外国で医薬品、嗜好品として用いられているTHC(テトラヒドロカンナビノール)は極めて微量しか含まれておらず、日本の法律上問題はありません。
アメリカやヨーロッパなどの国々では、THCを含む大麻の花や葉を活用する場合はマリファナ、茎や種などを利用する場合はヘンプ(産業用大麻)など植物の呼称が異なります。
ヘンプは、シリカ(砂)を多く含み、火や腐敗に強い素材で、茎部分のヘンプハードには何千もの微細な孔があり、水分を素早く吸収し、徐々に放出することができます。

ヘンプハードは左の図のように、乾燥したヘンプの茎を、専用の機械で粉砕することにより入手できます。
ヘンプの茎は、HURDS(ハード)とFIBERS(ファイバー)に別れ、それらはヘンプクリートの材料、そして木質の繊維は紙や布地、ロープなどに利用されています。


消石灰

ヘンプクリートではバインダーとして、消石灰(炭酸カルシウム)を活用します。
消石灰は、自然界から大量に入手でき、安価で、供給に安定性があり、日本で自給できる資源の一つです。
石灰の一定の炭酸化プロセス(CO2の取り込み)にはアルカリ性の室内環境を作り出すことができます。
石灰が水と接触すると、「炭酸化」という自然のプロセスが始まります。
空気中の湿気を吸収するヘンプハードの特性と、石灰による水分の利用(炭酸化)が組み合わさり、硬化反応が起こり、自然素材にもかかわらずコンクリートのような強度を持った建材となります。

ミネラル

HESplusは、欧州のヘンプエコシステム社が開発したヘンプクリートの初期硬化を早めるために、火山性ミネラルを配合した特別な製品です。
ヘンプと炭酸カルシウムとの混合には、硬化が非常に遅いという欠点があります。
この問題を解決するために、石灰の炭酸化能力(CO2吸収能力)を失うことなく、初期硬化時間を2日間まで早めることができる天然ミネラル添加剤を開発しました。
この発明は特許を取得し、2014年にドイツで開催されたアニュアスル・バイオ・カンファレンスで1位を獲得しています。